豚コレラ 防護柵に半額助成 ASF視野60億円確保 全国の農場が対象

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 農水省は16日、豚コレラ拡大防止の新たな対策として、感染要因の野生イノシシなどが農場に近づけないようにする防護柵の設置費用の半額を助成すると発表した。アフリカ豚コレラ(ASF)対策も視野に入れ、約60億円の財源を確保。感染地域だけでなく全国の地域を対象とする。防疫対策の一層の強化へ、飼養衛生管理基準を早急に見直す方針も明らかにした。

 吉川貴盛農相は同日の会見で、ASFに対し「アジアでの拡大に歯止めがかかっていない」と危機感を表明した。豚コレラの発生が止まらないことも踏まえ、関連する特定家畜伝染病の指針、飼養衛生管理基準について「適宜、適切に見直し、総合的な対策を実施する」と述べた。見直しに当たり「家畜伝染病予防法との関連も出てくる。大至急まとめたい」と法改正も視野に検討を急ぐ考えを示した。

 農場防護柵の設置支援は、ASFを視野に入れた防疫対策と位置付ける。農場周辺に網目の細かい防護柵を設け、ウイルスに感染した恐れのあるイノシシや小動物の侵入を防ぐ。

 農畜産業振興機構の事業を活用し、設置費用の半額を助成する。ウイルスに感染した野生イノシシが見つかった地域だけでなく、全国の農場が対象だ。柵の長さは、1農家当たり平均700メートル程度を想定する。イノシシは土を掘る習性があることを考慮し、農場側へ潜り込めないよう地中50センチ程度まで柵を埋め込む設置方法を推進する。

 ASFの水際対策として、感染源となり得る畜産物の持ち込みを防ぐ検疫探知犬の増頭も決めた。現在40頭の検疫探知犬を年度内までに13頭増やし、計53頭を全国の空港に配置する。空港での靴底消毒も広げる。国際線が就航する29空港、6港の計35カ所で導入しているが、国際線から国内線への乗り継ぎ便がある空港も対象に加える。